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「YAMANASHI DESIGN ARCHIVES」は、山梨県に伝わる過去の優れた物品の造形や模様、自然から得られる色彩、今に伝わる昔話・伝説を、産業上で使用することのできるデザインソースとしてデジタル化して配信する山梨県のプロジェクトです。

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The “YAMANASHI DESIGN ARCHIVE” is a project in Yamanashi prefecture that distributes the design sources of shapes and patterns of fine goods that have been passed down in Yamanashi prefecture since the past, colors from nature, old tales and legends that have been passed down to the present, and written material that has existed in the region since ancient times through a digital format for industrial use. Please make use of these sources for product development, education and research, service development, etc.

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Old Tale

#1265

玉の井の池

ソース場所:甲州市塩山竹森 玉諸神社[奥宮] 本宮玉諸神社[35.733451,138.744891]の北東600mの小倉山中腹に鎮座する奥宮 玉の井の池は今はない


●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
●画像撮影  : 201年月日
●データ公開 : 2017年11月01日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要] 甲州市塩山竹森にある玉諸神社奥の院境内には昔、澄んだ清水を湛えた玉ノ井の池があった。また、かつて本殿の地下には大きな水晶の玉があり御神体とされていたと云います。

玉の井の池
玉諸神社の奥の院、玉宮明神の境内に、清水を湛えた玉の井の池があり、その池の東南の御堂にいた武田憲光寺院は、ある年の戦に武田方に味方して出征したまま消息が絶えた。夫人は玉宮明神に日参して、主人の代わりに子宝を授け給えと祈ると、その年の暮れに玉の如き男子を出生した。その子は年を経るに連れて、他人に逢うことを嫌い、殊に衣服を脱いでその皮膚を見られるのを極度に嫌った。そして毎夜子の刻に、時を定めて二ときばかりの間どこかへいく様子である。夫人は怪しんで彼の袂に密かに糸玉を入れ、その一端を柱に結んでおいた。その糸の行方を辿って行くと玉の井の池に達し、水面を眺めると池には大蛇が気持ちよさそうに水を浴びている。夫人は驚いてその場に倒れ、大蛇もそれに気づいて忽ち姿を消し、再び家には帰らなかった。それから玉の井の池の水は日毎に減水し、一週間ばかりの間に皆涸れてしまった。今もその池の跡はのこっている。 (甲山峡水)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
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黄金の滝  <現代民話・塩山市>
玉諸神社は、塩山市をながれる竹森川の西の高台にある。玉造の祖先、天羽明玉命(あまのはがるたまのみこと)をここにおまつりしたのは、千年いじょうもとおいむかしのことという。
ご神体は、ものすごく大きな水晶の原石で、そのころから、村人のあいだで、
「ご神体を見てはならぬ。見ると、神さまのばちがあたって、たちまち目がつぶれてしまう。このおきてをやぶってはならない。」
と、いましめあい、子から子へといいつたえ、これをまもりつづけてきたという。
さて、明治のはじめごろのことである。
塩山市竹森にある水晶山のふもとのあたりに、ひとりの無法者の男がいた。
「石っころのご神体を見て、目がつぶれるなんて、ほんなばかな話があるもんかえ。文明開化の世の中だ。ほんな迷信、おらがやぶってやる。」
と、ある夜、本殿にしのびこんだ。そしてとうとう、ご神体の水晶の原石をぬすみだしてしまった。
「良いしょ、えいしょ、ばかにおもいな。」
男は、ご神体をかかえてくらやみの山道をくだりだした。ところが、どうしたことか、からだがふるえだしたかとおもうと、一歩もうごけなくなってしまった。そればかりか、声もでない。
男は、おそろしくなって、ご神体の水晶をぱっとはなした。ちょうどがけのふちだった。ご神体の水晶は、ごろんごろんところがって、下の滝つぼの中へ、どぼーんとおちこんでしまった。
男は、やっと身動きができるようになった。四つんばいになって、家ににげかえっていったそうだ。
それからというもの、昼も夜も、その滝つぼの中で、お寺のつりがねをたたいたときのような、
ゴオン、ゴオン、ドオン、ドオン
という、ものすごい大きな音がひびいてきた。
また、月夜には、滝つぼが黄金をちりばめたように、きらきらとひかりかがやいて見えた。
里の人たちは、あやしんだ。ある日、みんなで、おそるおそるちかづいて、のぞいた。
すると、大きな水晶の石が、滝つぼにしずんでいることがわかった。
「ありゃ、玉諸さまのご神体じゃないかな。」
しらべてみると、ご神体がなくなっていることがわかった。
里の人たちは、さっそく滝つぼの水晶をひろいあげ、錦の布でつつんだ。おはらいをして、みんなでかつぎ、玉諸神社にうつしてしまった。
それからのち、ご神体のおちた滝つぼの滝を、<黄金(こがね)の滝>とよぶようになった。
そこは、水晶山からわきでた水でできた三光の池(さんこうのいけ)のながれが、西をながれる竹森川とあわさるところだ。
水晶のようにすんだ水がながれおちて、岩にあたると、なんともいえない、まるで鐘をつくような、ドンドンという音がひびいてきこえるので、子どもたちは、<おどんどん>ともいっているという。    <再話・瀬川敏>

日本児童文学者協会(1982年)県別ふるさとの民話37「山梨県の民話」 ㈱偕成社
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山梨各地に伝わる昔話や伝説、言い伝えを収録しています。昔話等の舞台となった地域や場所、物品が特定できたものは取材によって現在の状態を撮影し、その画像も紹介しています。