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「YAMANASHI DESIGN ARCHIVES」は、山梨県に伝わる過去の優れた物品の造形や模様、自然から得られる色彩、今に伝わる昔話・伝説を、産業上で使用することのできるデザインソースとしてデジタル化して配信する山梨県のプロジェクトです。

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The “YAMANASHI DESIGN ARCHIVE” is a project in Yamanashi prefecture that distributes the design sources of shapes and patterns of fine goods that have been passed down in Yamanashi prefecture since the past, colors from nature, old tales and legends that have been passed down to the present, and written material that has existed in the region since ancient times through a digital format for industrial use. Please make use of these sources for product development, education and research, service development, etc.

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#1293

弘法奇跡② ミズの木

ソース場所:都留市大野字菅野 瑞乃木神社 水の木[市指定天然記念物]


●ソース元 :・ 内藤恭義(平成3年)「郡内の民話」 なまよみ出版
●画像撮影  : 201年月日
●データ公開 : 2017年12月14日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要] 弘法大師が昔、桂谷の村々を布教し終え、菅野川沿いに道志へ向かう時、仏教に帰依した大勢の人々が、大師様との別れを惜しみ、菅野まで見送りに付いてきた。そして、いよいよ急な山道になると云う所で、お別れする事となり、村人たちは大師様にお弁当を差し出した。しかし、うかつにも箸を入れ忘れていたので、大師様は詫びる村人たちに木の枝で済むことだと云い、近くの桂の木の枝で弁当を遣った。大師様は食事を済ますと、この箸も生き物だと土に挿し、瓢の水を注いだ。すると、桂の枝はぐんぐん育ち、その根元からは涸れない水が湧き出し、地域の人々を助けたと云う。

弘法奇跡(二) ミズの木
与縄で朝日川の水をからしてしまった話は、桂谷の村々にたちまち知れわたった。
弘法さまは人間の生き方を例に、心の正しさ、美しさ、広さなどの大切さを説き、仏の偉大さ、仏教の尊厳さを説いて回った。人の心を打つお話をされるばかりでなく、病に苦しむ人の話を聞けば、行ってお祈りをしてやり、多くの病人を救った。そんなわけで人々は、弘法さまのお話を聞くようになり、仏教に帰依していった。
弘法さまは桂谷の布教を終わり、菅野川沿いに道志の方へ旅を続けられた。大勢の信者が見送りについて来たが、菅野をはずれていよいよ急な山道になるというところで、お別れすることとなった。
「ここで一休みし、お弁当を召し上がってからお登り下さい」と村人たちはすすめ、みんなで休んだ。弘法さまが弁当を開いてみると、箸が入っていなかった。うかつをわびる村人に「なんの、なんの、木の枝ですむことだ」と弘法さまは言われ、そばにあったカツラの木の枝を切って箸にして弁当を食べられた。
食べ終わると、弘法さまは「この枝も生きものじゃ、再び地に生えて、命をつなぐように」と言われ、地面に箸に使った木の枝を差し、残ったふくべの水をそそいだ。そして「大変お世話になった。見送りまでしてくれたお礼に、この村には水が絶えることのないように木の枝を挿しました」と言われた。見ると枝を挿した根元からは、水が浸み出していた。
木は見事に根づき、すくすくと育った。あまりにも生長が速いので、「きょうは何寸伸びた」と、たよりの少ない村人の話題になった。木は途中から枝分かれして、さながら森のようになり、山から下りるときの道標となった。木の根元からは絶えず水がわき出し、そこから上の沢水が涸れることがあっても、村人たちを困らせることはなかった。
村人はこの木を「ミズの木」と呼びこの川の水を「ふくべ水」と呼んで、弘法さまの徳を今に伝えている。ミズの木は樹勢隆々として、千年を超える歴史を秘めながら、今も菅野の村々を見おろしている。

内藤恭義(平成3年)「郡内の民話」 なまよみ出版

このデザインソースに関連する場所

都留市大野 瑞乃木神社

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山梨各地に伝わる昔話や伝説、言い伝えを収録しています。昔話等の舞台となった地域や場所、物品が特定できたものは取材によって現在の状態を撮影し、その画像も紹介しています。