0371│椀貸池

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ソース場所:南アルプス市野牛島2704 能蔵池

●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会     
       ・ 山梨県連合婦人会 編集・発行(平成元年)「ふるさとやまなしの民話」     
●画像撮影  : 2015年10月11日
●データ公開 : 2016年06月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概 要]

椀貸池
野牛島の能蔵池の主は赤牛で、旱天の時は雨乞いをすれば雨を降らしてくれるし、困った時には何でも叶えてくれた。又人寄りなどがあって膳椀を欲しい時は、頼めば何人前でも貸してくれた。併しちゃんと返さない者があったり、汚物を洗ったりしたために、赤牛が怒ってこの池をとび出し、甘利山の椹池に行ってそこの主になったので、それからは願い事を何にも叶えてくれなくなった。 (山梨県民新聞)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会

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能蔵池の赤牛
むかしむかしの話です。野牛島村(現 八田村)の北に能蔵池という池があり、昔から大きな赤牛が住んでいたと言うことです。この池の北のあたりに「お幸」という娘がいて、二人のお年寄りとほそぼそとくらしていました。
ある年、おさっちゃんがお隣の「清さん」のところへお嫁に行くことになりました。
ある日、おさっちゃんは一人で池のふちにきました。そして「ごしんぎ(結婚式)にはうまいおまんまをきれいなお椀で村の人たちに出してえもんだ」とつぶやきました。
いよいよごしんぎの日です。池に洗いものに行ったおさっちゃんはびっくりしました。池のはたに、お椀やお膳がそろえてあります。急いでみんなに知らせました。ワイワイ、ガヤガヤ、大さわぎです。
おさっちゃんは「あの日おらがひとりごとを言っていたのを誰かが聞いて貸してくれとうずらよ」といいました。するとお年寄りのげんやんが「この池にや、昔から赤牛さまが住んでいるちゅうに、その赤牛さまが貸してくれとうじゃねえずらか」といいました。みんなはそれを聞いて「赤牛さまか、そりゃあ、ありがてえことだ」と池のふちにすわって赤牛さまに感謝しました。するとその時、池の中から「お幸よ、ごしんぎがすんだらけえしておけよ」と不思議な声がきこえてきました。
この話があってから村の中でごしんぎやおくやみごとがあると、みんな能蔵池にきて、赤牛さまにお椀やお膳のことを頼むようになりました。赤牛さまもまた、村人の願いを聞いてくれました。
それからいく年かが過ぎました。 ある日のこと竹やんの娘が嫁にいく前の日に、頼んでおいた村の人が池のふちへ行ってみると、あるはずの椀やお膳がありません。「ね えぞどうしたことだ、もう貸してくれねえずらか」とみんなびっくりしてガヤガヤ話していました。
村の人たちが調べてみると、前に借りた誰かが返さなかったことから、おこった赤牛さまは池から姿を消してしまったことがわかりました。
そこで村の人たちは、ようやく貯めたお金を持ち寄って、池のはしに祠を建ててお祀りしましたが、赤牛さまは二度と帰ってきませんでした。  (八田村)

山梨県連合婦人会 編集・発行(平成元年)「ふるさとやまなしの民話」

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35.668485, 138.479694
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