0514│犬塚

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ソース場所:山梨県上野原市上野原4563 明神社

●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会  
●画像撮影  : 2014年09月08日
●データ公開 : 2016年04月01日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概 要]

犬塚            北都留郡上野原町新井砂利

或る百姓夫婦が畑の帰りに身ごもった犬を拾ってきて育てると、一ヶ月の後に三匹の仔犬を産んだ。同じ頃妻も身ごもっていて男の子を一人産んだが、産後の肥立ちが悪くて死に、男の子はその犬の乳で育てた。百姓は恩ある犬に伊勢参りをさせようと、犬の首に「伊勢参りの犬」と記し、途中宿場の人に頼むという一礼を書いて結びつけ、村境までその犬を送り出してやった。翌年正月の夜、何か戸に当る音がするので開けてみると、衰えた犬がヨロヨロト転げ込んだ。首には伊勢の大神宮のお札の紙包みを下げていたが、百姓がそれを取ってやると犬はそこで息絶えた。数年後村に悪病が流行り、これは犬の祟りだといって、村人は神明社の境内に犬塚を立てて祀った。今もその犬塚には、表に伊勢皇太神宮、裏には安政六年正月と書いた石碑が立っている。 (山梨県民新聞)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会

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江戸時代後期には、旅が出来ない人が犬に代参させることが流行りました。おかげ参りする犬であることを示すために、犬には御幣や注連縄をかけたようです。この姿は、広重の東海道五十三次などの浮世絵にも描かれていました。

おかげ参りの犬達は、首に旅に必要なお金を巻いていて、伊勢に向かう人たちに世話を焼かれながら宿場から宿場へと旅したようです。宿場では首から必要なお金を払い、小銭が多くなって重そうだと両替してやる人や、途中の茶店では道連れの旅人に「がんばってるごほうびだ」と饅頭等もらったりとかわいがられながら旅したようです。「首の銭をくすねてやれ!」というような不心得者はなく、「私の分もお参りして来ておくれ」とばかりにお金を足してやるような人たちも沢山いたようです。

交通事情も、お伊勢参りに対する信仰心もこの頃とは変わってしまって、今はお陰参りする犬を見ることはなくなってしまいましたが、浮世絵にもされた犬達のかいがいしい姿を偲び、「おかげまいりの犬」は伊勢神宮周辺でマスコットとしてストラップ等になっています。

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山梨県上野原市上野原4563 明神社
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