0566│土の中にいた観音様 「鬼島十一面観音像」

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ソース場所:南巨摩郡富士川町鬼島5274 妙現寺

●ソース元 :・ 山梨県連合婦人会 編集・発行(平成元年)「ふるさとやまなしの民話」 
       ・富士川町hp「町の文化財」より(http://www.town.fujikawa.yamanashi.jp/kanko/meisho/bunkazai.html)
●画像撮影  : 2015年10月23日
●データ公開 : 2016年06月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要(土の中にいた観音様)]

むかしむかし、鬼島村に働き者で心のやさしいおじいさんとおばあさんが住んでいました。二人は山を掘りおこし、粟や豆を作っては暮らしていましたが、なぜか子どもは恵まれませんでした。
ある夏のことです。
いく日も雨が降り続き、収穫まぎわの粟はもちろん、畑までも流されてしまいました。雨がやみ日が照り始めたので、二人はさっそく畑へ出て、おばあさんは僅かに残った粟を集め、おじいさんは荒れた畑を元どおりにしようと鍬をふるっておりました。
しばらくすると、鍬が何かにささって抜けません。おばあさんと二人で引っ張ってやっと抜きましたが、なんと、その刃先に血のようなものがついているではありませんか、
「ややっ、ち、血が。」
二人は驚きました。そして夢中になってその周りを掘りました。
何時間かたってやっと二人が掘り出したのは、人の形をしていましたが人ではなく洗ってみると木造のりっぱな観音様で、鍬が打ち込まれた左腕には血がにじんでいます。二人は思わず膝をつき、
「なむあみだぶつ、なむあみだぶつ・・・・。」
と手を合わせておがみました。そして、おばあさんは頭にかむっていた手拭で、左腕の傷をていねいにしばってあげました。
観音様は、長い間を土の中にうもれていたとみえて、とても疲れた顔をしていました。そこで村の人たちと相談し、鬼島村で一番静かな所で休んでもらうことにしたのです。
それからというもの鬼島村には、よいことばかり続くようになりました。そして、おじいさん、おばあさんにも子どもが授かり、幸せな日々が続いたということです。
この観音様が、今の鬼島十一面観音様だと伝えられ、人々の幸せを守りつづけておられます。(鰍沢町)

出典:山梨県連合婦人会 編集・発行(平成元年)「ふるさとやまなしの民話」
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妙現寺 十一面観音像

鬼島の妙現寺にある十一面観音像は、古色一本杉、高さ5尺7寸(173cm)で、弘仁前期の手伝いを伝えていると言われ、本町にある仏像の中でも有名なものです。
この寺は、昔は鬼島山大善寺といい、建久6年(1195年)に建てられました。その後、本学坊日栄が永正16年(1519年)に再建。この像は、はじめ寺の背後の観音堂に祀られていましたが、山崩れのために流されて埋没してしまいました。元禄7年(1694年)8月3日、村人が道を工事した時に掘り出され、この寺に祀られました。

富士川町hp「町の文化財」より(http://www.town.fujikawa.yamanashi.jp/kanko/meisho/bunkazai.html)
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妙現寺の十一面観音像は、土の中から掘り出されたとき、鍬が左腕にあたり血がにじんだと云われ、今でもそこに包帯を結んでいます。

このデザインソースに関連する場所


南巨摩郡富士川町鬼島5274 妙現寺
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