物語
Old Tale
#1221
農鳥岳
ソース場所:農鳥岳
●ソース元 :・ 裏見寒話 巻之三 山河の項より
甲斐志料刊行会 編『甲斐志料集成』3,甲斐志料刊行会,昭和7至10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1240842 (参照 2024-05-24)
●画像撮影 : 201年月日
●データ公開 : 2017年08月10日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概要] 「今年は桜の咲くのが早いね」「もう春だと思っていたのにまさか雪になるとは思わなかった」春の訪れはその年により早かったり、足踏みしたり。天候に関係なく日々の仕事をするだけなら、その時々で春の花々に目を細めるだけですが、農業をする方にとってはそのタイミングが重要になる。準備に何日もかけ種や苗を用意して植え付けた作物がたった一日でダメになってしまうことも、植え付けが遅くて夏の暑さに耐えることが出来るほど生育しなかったりと自然を相手にするのは大変なご苦労がある。 そんな時、山の雪の形を見て、植え付けなどのタイミングを見る。
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白根ヶ嶽 酉方
富士に続いての高山なので(*国内の山岳標高を調べると 富士山3776m[1位]、白根三山と呼ばれる3岳はそれぞれ、北岳3193m[2位]、間ノ岳3190m[同率3位]、西農鳥岳3051m[15位]。なお、白鳥様の残雪形は間ノ岳にも表れるので、明治期まで間ノ岳が農鳥岳と呼ばれる場合もあった。)、盛夏まで雪がある。その雪が年中絶える事が無いので白根岳という。この山を甲斐ヶ根とも云い、又、農鳥山とも云う。そのわけは、夏になり雪の消え方により、鋤の形、あるいは鳥の形になる。甲斐八景の一つである。
裏見寒話 巻之三 山河の項より ・・・ 「甲斐志料集成」3 p172
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鳳凰三山の農牛と農鳥岳の農鳥
茅ヶ岳山麓の辺りは水利の悪い地帯で、村人達は毎年鳳凰山に登って雨乞いをした。山の神は気の毒に思い、黒牛、白鳥に命じて、穂坂に池を掘らせた。夜中に仕事をし、白鳥が暁を告げると山に帰ることを日課としていたが、ある朝、時を告げることを忘れて夜が明けてしまった。白鳥はさっと飛び立ったが、牛は進退極まり、石になってしまった。それから古巣の鳳凰山には春になると黒牛の、農鳥岳には白鳥の雪形が現れるようになった。
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山梨各地に伝わる昔話や伝説、言い伝えを収録しています。昔話等の舞台となった地域や場所、物品が特定できたものは取材によって現在の状態を撮影し、その画像も紹介しています。