物語
Old Tale
#1142
鎧塚
ソース場所:甲府市善光寺町 北原地区
●ソース元 :・ 現地由緒書より (北原自治会ふるさとづくり 第三部員 一同)
●画像撮影 : 2017年02月04日
●データ公開 : 2017年02月06日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概要] 江戸の質店に鎧が質入れされた。その夜から質店では毎夜家鳴りがする。しばらくしても受けだしに来ないので古物商に流すが、また、質入れされてくる。それもまた古物商に流すが、しばらくするとまた質入れされてきた。質屋の主人は、日ごろ信仰している善光寺の如来の夢を見たので、三度も我が店に質入れされるのは、何か深い所以があっての事だろうと、甲斐善光寺に持ってきてこの鎧を着ていたであろう人の霊を追悼し、善光寺の北側に埋めたという。
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鎧塚 由緒
今からおよそ百九十年前、江戸日本橋油町 で質屋を営んでいた 加藤淨雄(こと)美濃屋権兵衛 という人がいた。
この人は 甲斐善光寺 の信徒で檀家世話人を務める程の人物だった。
ある日、質屋に緋縅の鎧を質入れする者があった。
すると、その夜から毎晩夜更けになると家鳴がして、家がガタガタと震動した。 権兵衛をはじめ家人は奇妙に思いながら一年が経ち、やがて三年が経ち、とうとう この鎧を古物商に売り払ってしまった。
すると不思議なことに さっきまでの家鳴はピタリと収まった。
それから半年ほどした頃、別の人によってまた同じ緋縅の鎧が質入れされた。 また家鳴が始まり 権兵衛は何か因縁のある品だと思い、色々調べたが見当もつかず、再び古物商に売ったところ、半年もすると、それも別人によって質入れされて来た。
その頃、権兵衛は善光寺の阿弥陀如来様の霊夢を見たので、きっと何かの因縁だと思い、善光寺へ持って行き、当山五十七世誉霊海上人にいきさつを述べ、七日間の追善供養を勤修し、後に この地に鎧を埋めたと伝わらん。
時に 享和元年一月のことである。
・ 昭和三十七年十一月□日 (*古い看板なので判別出来ず。吉日か?)
・ 北原自治会ふるさとづくり 第三部員 一同
- (現地由緒書より)
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