1161│椀貸し石
ソース場所:北杜市大泉村谷戸富谷『鳴石』 (35.877271,138.382510)附近
●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
・ 現地説明板より
●画像撮影 : 201年月日
●データ公開 : 2017年01月05日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概要] 各地に椀貸し伝説が伝わっています。冠婚葬祭でお椀やお膳が足りなくて困っていると、人気の少ない池や淵、神社の大石などにお願いすると、貸してもらえたが、不心得者が返さなかったり壊したりしてから貸してもらえなかったというお話で、県内だけでなく日本各地に伝わっているお話です。ここの大石は、膳椀を貸してくれるだけでなく、非常時には鳴って危険を警報してくれたそうです。
膳貸石 北巨摩郡大泉村谷戸
二間四方の大石で、昔から何か変わったことがあれば必ず鳴ったといい、それで一名を鳴石ともいう。又 冠婚葬祭の時など、前日にこの石の前に行って、膳椀でも何でも貸してくれと頼んでおいて、明朝行くと必ず石の上に、頼んだ品物がのっていたという。用済みの品物を石の上におけば、又知らぬ間になくなってしまう。或時膳椀を借りた人が、少し壊したまま返しておいたら、石は怒ってその後いくら頼んでも貸してくれなくなった。 (口碑伝説集)
土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
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鳴石[ナルイシ]
この石は、昔から何か変わったことがあると必ず鳴ったということである。そして、さらに不思議なことには、この石は人に何か頼まれるとそれを貸してくれたというのである。冠婚葬祭の時など、前日に石の前に行って、明日までに何々を貸してほしいと頼んで翌朝行くと、必ず石の上に頼んだ品物がのせられていたという。そして、用が済んで返しておけば、いつの間にかなくなってしまうというのである。
ところがある時、品物を借りてそれをこわしたまま返しておいたところ、石はたいそう怒って、その後はいくら頼んでも決して貸してくれなかったということである。 大泉村教育委員会 (現地説明板より)