物語
Old Tale
#0347
八地蔵
ソース場所:中央市東花輪1855 貴蔵院
●ソース元 :・ 境内の説明板より
●画像撮影 : 2015年12月04日
●データ公開 : 2016年06月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
【概要】 中央市東花輪の貴蔵院前には八体のお地蔵さんが並んでいる。このお地蔵さんたちは、各地を托鉢して歩いたり、災害の被害者の下へ慰問に行くなどしたと伝えられています。
八地蔵
花輪(田富町)に貴蔵院というお寺がある。寺の前に八体の石地蔵が並んでいる。
良く八地蔵さんを信心していた者が東郡(峡東)に嫁いでいた。ある時、笛吹川の氾濫で家や田畑を失い、被災後の疫病に苦しんでいた。そんな中、八人のお坊さんが薬や食べ物を手にやってきてくれた。村人が「どちらからいらしたのか」と聞くと「花輪の貴蔵院からだ」と答えた。貴蔵院にはそのようなお坊さんがいないはずなのにと不思議に思ったが、お礼参りに貴蔵院に行くと八地蔵さんたちの前に泥に汚れたわらじがそろえてあった。
八地蔵さんたちが助けてくれたことを悟り、いっそう信心したと言う。
また、明治の頃にはこの八地蔵さんたちが托鉢して廻ったと言う話も伝えられている。
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八人地蔵と旅僧
田富町東花輪の延命山貴蔵院に八人地蔵尊がたくはつ僧となって県内各所を巡礼したという伝説がある。
ある日の夕方、石和町唐柏部落の農家に墨染めの衣を着た托鉢僧が来たので、若い主婦がお米を差し出しながら、お寒い中を和尚さんはどちらから旅ですかと聞いたところ、旅僧は、私は中郡ですと答えた。中郡はどこからですかとまた尋ねると、東花輪の貴蔵院から来たという。その主婦は東花輪の由緒深い某家からその家に嫁いでいたので驚いて、実は私も東花輪からお嫁にきた者で、生家は貴蔵院の古い檀家ですといい、お茶をすすめながら、しげしげと和尚の顔をながめた。主婦は、お盆には必ず貴蔵院に行き先祖の墓参りをしているが、この和尚さんの顔は見覚えがないと思いながらなお、お茶をすすめると和尚は終始かさをかむったまま頭を下げて言葉も少なげに語るだけだった。やがて日没近く旅僧は姿勢を正して低い声で、実は私は貴蔵院の八人地蔵の一人ですと静かに目礼をして立ち去ったという。
その後この主婦の話が東花輪にもたらされ、今もなお伝説として残されている。
(境内の説明板より)
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山梨各地に伝わる昔話や伝説、言い伝えを収録しています。昔話等の舞台となった地域や場所、物品が特定できたものは取材によって現在の状態を撮影し、その画像も紹介しています。