


物語
Old Tale
#1105
富士見の池
ソース場所:甲府市岩窪町500-1 円光院
●ソース元 :・ 甲府市HP「おはなし小槌」 より https://www.city.kofu.yamanashi.jp/senior/ohanashi/index.html
・ 甲斐志料集成3(昭和7-10年) 甲斐志料刊行会 編 (裏見寒話 写本六巻五冊 野田成方)
●画像撮影 : 2017年02月04日
●データ公開 : 2016年06月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。










[概 要] 見えないはずの富士の姿が、水面に映る池の言い伝えがある。
富士見の池 (西山梨郡志より)
岩窪町円光院の裏、丸山の東に昔、富士見池という池がありました。この池は清澄な清水を湛えていました。
この富士見池は、東から東南にかけて夢山に囲まれており、到底富士山が望めぬ所であります。
しかし、不思議なことにこの池の北岸に立って水面をのぞけば、逆さではなく正しい富士山が見えました。しかも、この映った富士の山容、山色、峰にかかった横雲などで、晴雨風雪さえ予知することができたということです。
武田信玄公もこれに映る山容雲行などによって天候を占っては、出陣、退軍の駆引とされていたり、軍略の参考となされていたという。武田氏滅びても池はあったが、いつとはなしに埋もれ、今は大石一個の下にその遣跡をみることができます。
甲府市HP「おはなし小槌」 より
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/senior/ohanashi/index.html
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円光院住職に聞くと、戦中戦後は山の木をはじから伐ってしまい、山全体が涸れてしまったが、その後の植林等により水が湧き出し今は昔の姿を取り戻している。
冨士が映ると云われるが、この角度から見ると赤岳が富士山のような形にちょうど見えることから、「富士見の池」といわれたのではないか?というお話でした。
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また、富士見の池は大泉寺に有ったとされる記述もある。
甲府市古府中の大泉寺は、産まれたばかりの武田信虎の子息が、曾我 時致(日本三大仇討の一つ「曽我兄弟の仇討」を行った弟)の生まれ変わりだと云うことを証明した池であるが、「富士見の池」の言い伝えのある池でもある。、、、この池は、山の影にて富士は見えないはずなのに、水面に不二の影が映る。これによって、ここから流れ出る川を「富士川」と呼ぶことにした。 (「裏見寒話」巻之二 仏閣 の項 より)
ほかにも一蓮寺などでも同様な言い伝えがある。「聖なる泉に本質が映る」というようなイメージで仏閣の美しい水面に、甲斐の人々が霊峰と崇める富士の姿が映ると考えられていたのかもしれない。
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