物語
Old Tale
#1527
水神への献納(山梨市三冨上釜口 一の釜)
ソース場所:山梨市三冨上釜口 一の釜
●ソース元 :・ 甲斐志料刊行会 編『甲斐志料集成』3,甲斐志料刊行会,昭和7至10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1240842 (参照 2024-05-24)(裏見寒話 写本六巻五冊 野田成方)
●画像撮影 : 201年月日
●データ公開 : 2018年08月23日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概要] 国道140号雁坂道を広瀬ダム方向へ進むと、左手に川浦温泉山県館が見えてくる、そこからさらに800m程先を左に入ると県営 天科発電所があります。笛吹川の涼やかな渓谷を眺めながら橋を渡り、対岸を下流に向かい300m程歩くと、河原への降りる口があり、降りるとすぐに吊り橋、滝があります。大変美しい滝です。この滝には不思議な言い伝えがあります。(発電所に隣接した駐車場もしくは、民家脇の狭い道を行きますが、自家用車なら発電所対岸の釜口集会所横の駐車場が利用できます。渓谷内は足場の悪い箇所も有りますので、スポーツシューズ等で訪ねて下さい。)
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川浦 笛吹川 水源の釜
一の釜、二の釜と二つあり、河水渦巻いて白波が立っている。この川浦山の材木を伐って石和の方へ流し出すのだが、この釜に流れ掛かってしまえばたちまち水底へ巻き込まれ、再度出る事がないという。里人と共に酒一樽と赤飯一櫃を釜の中に投げ入れ水神に献納する。そうしてから、材木を流す時に渦に巻き込まれる事がなくなったと云う。
酒樽には口に栓をし、飯櫃は箱で覆って、四方から縄で結び、封をして水中に入れる。翌朝浮かび上がっているのを見ると、酒も飯も少しも残さず、縄を元のように結んだまま返ってくると里人は云う。 (「裏見寒話」 附録 山河・社閣・古跡 の項より)
甲斐志料集成3(昭和7-10年) 甲斐志料刊行会 編
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「裏見寒話」とは、野田成方が甲府勤番士として在任していた享保九年~宝暦三年(1724-1753)までの30年間に見聞きしたり、調べた甲斐の国の地理、風俗、言い伝えなどをまとめたものです。只々聞いたものを記すだけでなく、言い伝えられている某氏の名前を古い書物から探し出したり、例えば鳥の羽が夜光ることを、不思議な話だと記すだけではなく、闇夜に猫の毛を逆立てると火花が散るがこういった現象ではないだろうか?と考察している。当時の様子や、一般の人達にとって常識だった歴史上の事柄(歌舞伎や浄瑠璃などで演じられ、当時の庶民に良く知られていた)を知ることが出来る。
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山梨各地に伝わる昔話や伝説、言い伝えを収録しています。昔話等の舞台となった地域や場所、物品が特定できたものは取材によって現在の状態を撮影し、その画像も紹介しています。