1527│膳椀淵(山梨市三冨上釜口 一の釜)
ソース場所:山梨市三冨上釜口 一の釜
●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
・ 甲斐志料集成3(昭和7-10年) 甲斐志料刊行会 編
●画像撮影 : 201年月日
●データ公開 : 2018年08月23日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概要]
膳椀淵
笛吹川の一の釜を膳椀淵といい、昔底から膳椀を借りた。そのお礼には供物を投げ入れると、器のみ返ってきた。或時川浦温泉の山縣小左衛門という人が、借りた膳椀の数を不足にして返したので、それから後は貸さなくなったという。 (民族 三)
土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
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川浦 笛吹川 水源の釜
一の釜、二の釜と二つあり、河水渦巻いて白波が立っている。この川浦山の材木を伐って石和の方へ流し出すのだが、この釜に流れ掛かってしまえばたちまち水底へ巻き込まれ、再度出る事がないという。里人と共に酒一樽と赤飯一櫃を釜の中に投げ入れ水神に献納する。そうしてから、材木を流す時に渦に巻き込まれる事がなくなったと云う。
酒樽には口に栓をし、飯櫃は箱で覆って、四方から縄で結び、封をして水中に入れる。翌朝浮かび上がっているのを見ると、酒も飯も少しも残さず、縄を元のように結んだまま返ってくると里人は云う。 (「裏見寒話」 附録 山河・社閣・古跡 の項より)
甲斐志料集成3(昭和7-10年) 甲斐志料刊行会 編
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「裏見寒話」とは、野田成方が甲府勤番士として在任していた享保九年~宝暦三年(1724-1753)までの30年間に見聞きしたり、調べた甲斐の国の地理、風俗、言い伝えなどをまとめたものです。只々聞いたものを記すだけでなく、言い伝えられている某氏の名前を古い書物から探し出したり、例えば鳥の羽が夜光ることを、不思議な話だと記すだけではなく、闇夜に猫の毛を逆立てると火花が散るがこういった現象ではないだろうか?と考察している。当時の様子や、一般の人達にとって常識だった歴史上の事柄(歌舞伎や浄瑠璃などで演じられ、当時の庶民に良く知られていいた)を知ることが出来る。