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「YAMANASHI DESIGN ARCHIVES」は、山梨県に伝わる過去の優れた物品の造形や模様、自然から得られる色彩、今に伝わる昔話・伝説を、産業上で使用することのできるデザインソースとしてデジタル化して配信する山梨県のプロジェクトです。

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The “YAMANASHI DESIGN ARCHIVE” is a project in Yamanashi prefecture that distributes the design sources of shapes and patterns of fine goods that have been passed down in Yamanashi prefecture since the past, colors from nature, old tales and legends that have been passed down to the present, and written material that has existed in the region since ancient times through a digital format for industrial use. Please make use of these sources for product development, education and research, service development, etc.

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物語

Old Tale

#1248

瓜姫

ソース場所:甲府市古関町 に伝わるお話


●ソース元 :・ 土橋里木(1975年)全國昔話資料集成16甲州昔話集 岩崎美術社
●画像撮影  : 201年月日
●データ公開 : 2017年10月26日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要] 昔昔、お爺さんとお婆さんがいた。ある日お爺さんは山へ薪取に、お婆さんは川へ洗濯に行きました。お婆さんが洗濯をしていると大きな瓜が流れて来たので、お婆さんは拾って帰ってきました。夕方、お爺さんが帰って来たので二人で割ってみようとしたら、いきなり瓜から光があふれ真っ二つに割れ中からお姫様が出てきた。お爺さんお婆さんには子供がいなかったので、二人は大喜びで「瓜姫」と名付け大切に育てました。大きくなった瓜姫は「大切に育ててもらったけど、何の恩返しも出来ていない。機を織って恩返ししたい」と云うので絹糸を買ってくると、瓜姫は機を織り始めた。すると機織り虫や機織り雀もやって来て、毎日毎日、姫と一緒に機を織った。その布はたいそう高く売れたので、お爺さんとお婆さんはずっと幸せに暮らしましたとさ。

瓜姫
まァ、昔なァ、お爺とお婆があったそうだ。ある日のこと、お爺は山ィ薪取りイ、お婆は川イ洗濯に行ったそうだ。お婆が川端でなァ、ジャブンジャブン洗濯ゥしているッちうとなア、上のほうから大い瓜ン一つ流れてきたそうだ。そいからお婆は棒で掻じくり寄せてその瓜オ拾ってなア、晩方爺さんの酒の肴にでもしてやらず(やろう)と思って、持って帰って戸棚イしまっておいたそうだ。そうしると、晩方寄り爺さんが山から帰って来てなア「婆さん今帰ったぞ」なんて言うとなア、婆さんが「爺さん、今日は早かったなアよ、俺ァ今日は爺さん、川イ洗濯に行ったらば、飛んだ拾い物オしとオ」ッてってなア、瓜オ拾っとオ話をしたそうだ。そうしるッちうと爺さんも「そんじゃアちゃっと(早く)出いて見しょオ」なんて言ってなア、婆さんが戸棚からその瓜オ取り出して来て見せるッちうとなァ「こりゃアなかなかうまそうどオ。どれ一つ割って見ずかなア」ッてって、爺さんがその瓜オ俎板の上へけけて(のせて)包丁で切らずかと思ったら、その瓜からむしょうに(急に)御光がさいて、瓜ン真っ二つに割れて、中から立派なお姫様ン生まれたそうだ。
そいから、爺さんやばあさんは大へん喜んでなア「こりゃア俺等に子供ンないもんだから、きっと神様ン授けてくれとオに違いない」なんて言ってなア、「爺さん、この子の名は何てつけずかなア」なんて言うとなア「瓜から生まれとオだから瓜姫とつけるンよからず」ッてって、瓜姫ッちう名にしたそうだ。そうしてまア、二人して、その瓜姫オはんで(頻りに)大事にして大きくしたところン、ある日瓜姫ンいうことになア「俺ァこうして爺さんや婆さんの厄介にばかりなっても、何も手伝ってやることもできぬン、機ァ織ってやりたいから糸オ仕度ゥしてくりょオ」なんて言うだそうだ。そいから爺さんが町から絹糸オ買って来てやるッちうとなア、瓜姫アそれでもって機ァ立って、
チャンカラ、チャンカラ
と毎日機ァ織ったそうだ。そうしるッちうと、そこイ機織虫ンやって来て「瓜姫さん瓜姫さん、あなたは何をしておりますか」なんて聞くだそうだ。そいから瓜姫さんが「私ャ機を織っております」ッて言うと、機織虫ン「そんならお手伝いをしてあげましょう」なんて言うッちうどオ。「お前に機が織れますか」ッて聞くと「織れますとも,織れますとも、私ャ機織虫だもの」ッてって、機織虫ン瓜姫のお手伝いをしてくれるだそうだ。
そうしるッちうと、今度ァ機織雀ンやって来て「瓜姫さん瓜姫さん、あなたは何をしておりますか」なんてまた聞くだそうだ。瓜姫さんが「私ャ機を織っております」ッて言うと、雀ン「そんならお手伝いをして上げましょう」ッて言うだそうだ。そいから瓜姫さんがまた「お前に機がおれますか」ッて聞くッちうと「織れますとも、織れますとも、私ャ機織雀だもの」ッてって、まア、雀も瓜姫さんのお手伝いをしてくれるだそうだ。そうして、瓜姫となア、機織虫と機織雀で、毎日毎日、機ァ織ったから、おじイがそれオ持って町イ売りに行ったら、ええ金になって、それで何ッかァ買ったりどうしたりして、お爺もお婆も一生安楽に暮らいたそうだ。それもそれッきりイ。
(亡き祖母より)

土橋里木(1975年)全國昔話資料集成16甲州昔話集 岩崎美術社

このデザインソースに関連する場所

甲府市古関町

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山梨各地に伝わる昔話や伝説、言い伝えを収録しています。昔話等の舞台となった地域や場所、物品が特定できたものは取材によって現在の状態を撮影し、その画像も紹介しています。