1551│お万の方

Top > Old Tale > 1551│お万の方

ソース場所:羽衣白糸の滝 早川町

●ソース元 :・ 「早川のいいつたえ」第二集  著者:三井啓心  
●画像撮影  : 年月日
●データ公開 : 2020年08月21日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

 

羽衣のいいつたえ
『お万の方』

秋の角瀬[スミセ]は、他県ナンバーの観光バスでにぎわいますが、ほとんどが七面山へ行く信者です。
ひと休みした信者たちは、角瀬から列を組み、うちわ太鼓を鳴らしながら、敬慎院[ケイシンイン]まで登る組と、小型バスに乗り換えて羽衣橋まで行き、そこから表参道を登る組が多いようです。どちらも途中で、谷川を大きくまたぐ朱塗りの羽衣橋を見て、七面山に近づいたことを喜び、白糸の滝でまた一段と霊気をかんじるのです。
滝のそばに立っている像は、徳川家康の側室お万の方です。
この人、熱心な法華経信者で、家康が自分の考えに反対した日遠上人を死刑にしようとした時、上人を師としていたお万の方が、自分も死ぬといって家康をなだめ、上人を救ったことは慶長法難として有名です。
家康がなくなったのは、元和[ゲンナ]二年(一六一六)で、その時お万の方は髪をおろし、養珠院[ヨウジュイン]となりましたが、元和五年に、この七面山に登る発願をしました。
なにしろ昔は山岳信仰の霊山で、女が登ることなどとんでもないと、地元をはじめ、信者や修験者の反対は大変なものでした。
そこでお万の方は、この白糸の滝で納得のいくまで水垢離をとりました。
頭からたたきつける水の勢いはものすごいもので、よろめく足を支えきれずに何度か倒れましたが、七面山の主[ヌシ]のおかげで、心身をきれいにし、「もう私は男でも女でもない、法華経の信者だ。」ということで参拝を強行しました。
七面山の主は、日蓮上人が説法した時、美人に身をかえて聞いたといわれるぐらいですから、やっぱり女性に対して寛大だったということでしょう。
道理でこのごろでは、女性だけの信者の列も多く、リーダーにあわせて、「ナンミョウホーレンゲェキョウ。」と一オクターブ高い声を合わせる団体が、土曜、日曜にはとくに目立っています。

このデザインソースに関連する場所


羽衣白糸の滝 早川町
ページトップ