1156│千代の吹き上げ

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ソース場所:北杜市須玉町小尾 金峰山登山道途中(35.871426,138.616871)附近

●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
       ・ 津金学校HPより  
●画像撮影  : 201年月日
●データ公開 : 2017年01月05日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

 

[概要] 昔、とても信仰心の篤い夫婦がいた。社寺霊場参りを楽しみにしていたが、中には女人禁制の地もある。夫婦で金峰山上の金桜神社奥の院に詣でようとしたとき、女人禁制の霊山だとて、里人は妻の千代を止めたが、千代は夫と共に登山し、途中の断崖で足を踏み外し谷底へ消えた。夫は神に許しを請うため七日間社にこもり、断食して千代の罪が許される事を祈願した。満願の日、谷間から風が吹き上げ、傷もなく元気な姿の千代が現れたので、この断崖を「千代の吹き上げ」と呼ぶようになったと云う。

千代の吹き上げ     中巨摩郡宮本村金峰山

黒平の置くの金峰山の山腹、「お砂払い」の東方に高さ二百米位、屏風を立てたような一大絶壁があり、これを千代の吹き上げという。むかし北巨摩郡穂足村大豆生田(まみょうだ)に大工の夫婦があり、女房を千代といい、二人とも信仰心篤く、社寺霊場参りを楽しみにしていた。ある時夫婦で金峰山上の金桜神社奥の院に詣でようとした所、古くから女人禁制の霊山だとて、里人は千代を止めたが、千代は夫と共に登山した。途中前述の断崖で、千代は足踏みはずして谷底へ落ち、夫は神霊の怒りならんと恐怖して山頂に至り、七日間社にこもり、断食して千代の罪を許されんことを祈願した。満願の日に一天俄かに曇り、物のあやめも分かたず、南の谷間から一陣の疾風吹き来たり、すでに惨死したと思った千代は、この風に吹き上げられて、身に傷一つなく、いつものように元気で現われた。因ってこの地名が生じたという。     (口碑伝説集)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
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むかし、大豆生田(まみょうだ)に信心深い夫婦がおったとさ。ある日、女人禁制の山である金峰山の金桜神社に向かって、村人のとめるのも聞かずにお参りに出かけたのじゃ。ふたりは共に手をたずさえて長い山道を登ったが、目もくらむけわしい断崖まできたとき、女房のお千代が足をすべらして谷に落ちてしまったのじゃ。神のたたりと恐れた夫は、七日間断食してお千代の罪を許してもらおうと祈りつづけると、七日目の日、突然、ヒューという音とともに谷底から吹き上げた風にのって死んだはずのお千代が、、元気な姿で夫のもとに帰ってきたそうな。それから、この谷を千代の吹き上げというようになったとさ。
津金学校HPより

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山梨県 金峰山
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