1159│鈴虫の名所

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ソース場所:北杜市白州町花水2040 白山大神社周辺

●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会      
●画像撮影  : 2014年09月13日
●データ公開 : 2017年01月05日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要]

鈴虫の名所     北巨摩郡清春村観音平

観音台ら附近は鈴虫の群棲地である。むかし天照大神が花水坂から御嶽に趣かれた時、一には御嶽の神に手向けられ、一には旅の道連れとして、沢山の鈴虫を伴って来たが、この地で休まれ、旅の疲れで暫しまどろんだが、鈴虫の篭をそこに忘れて出発された。大神は御嶽へ着いたが、仕方なく附近の土で鈴を造り、これを神に手向けられた。それ以来観音平は鈴虫の名所となり、又御嶽では土鈴を売るようになった。     (口碑伝説集)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
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観音平の鈴虫 花水
神代の昔、天照大神様が、日本の国をお授けになり、御孫のニニギノミコトに、国を治めさせましたが、天照大神様は、大勢の国つ神に協力のお礼を申したいと、国々をお廻りになることにたりました。
天照大神様は、旅のつれづれを慰め、かつ神々にお土産にと、たくさんの鈴虫を篭に入れて持って出かけました。
大深沢が釜無川へ注ぐちょっと手前の、大堂の観音付近に、観音平という所があります。そこまで来られた大神様は、長い旅路でお疲れなされたのでしょう。
しばし腰を休めようとしたところ、ついまどろんでしまいました。目をさまされた大神様は、意外に長く眠ったことに気がつき、急いで、今日の予定宿に向けて、お出かけになりました。
さて、御岳にお着きになった大神様は、事代主命様に、鈴虫のお土産を差し上げようと思い、腰のあたりを探られたが、鈴虫の篭はなく、観音平を出掛けるとき、あわてたので置き忘れてしまったのです。
そこで、大神様はふと考えついて、御岳の土を一握り握られ、これをこねて鈴をお作りになり、振って見ると、鈴虫にも劣らぬよい響きであったので、その鈴を事代主命様に差し上げました。こんな伝えから、観音平は鈴虫の名所に、御岳は鈴が名物になったといわれます。(元話 清春村誌)

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北杜市白州町花水2040
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