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「YAMANASHI DESIGN ARCHIVES」は、山梨県に伝わる過去の優れた物品の造形や模様、自然から得られる色彩、今に伝わる昔話・伝説を、 産業上で使用することのできるデザインソースとしてデジタル化して配信する山梨県のプロジェクトです。

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#1200

大橋のふしぎなおぜん

ソース場所:甲府市国玉町 大橋五條天神社


●ソース元 :・ 甲府市HP「おはなし小槌」 より https://www.city.kofu.yamanashi.jp/senior/ohanashi/index.html    
       ・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会   
●画像撮影  : 2017年02月04日
●データ公開 : 2017年02月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要] 昔、大橋は甲斐府中とその外側を繋ぐ重要な橋で、多くの人達が往来する橋でした。ただ、南側に蓬沢の広い湿地があったり、橋の東側には甲斐三ノ宮が有ったりと、時間帯や時期によっては寂しい場所になることもあって、この付近は神様だけでなく狐狸、妖怪までもが出没する場所でした。また水辺の寂しい場所につきものの、椀貸し伝説もつたわっています。

大橋のふしぎなおぜん
(竜王町竜王 笠井一正さんの話)
昔、昔、にごり川のどんじりに大橋がありました。(今の里垣と国玉のさかいあたりです)
このころ板垣村は広い広い野原でしたが、このところどころに部落をつくって人々が生活をしていました。
ある日、ある家の主人が近所の人をよぶことになりました。
主人は大橋の上に来て
「今日は、おおぜいの人がくるんだが、何人前かのおぜんがほしいなぁー」と言って通りました。
しばらくして大橋の上に行ってみますと、なんと、そこに思っていた何人前かのおぜんがととのっているではありませんか。
主人は、よろこんで、いそいでおくさんや家の者をよび、おぜんを家にはこぴ、近所の人をよんで楽しい一夜をすごしました。
次の日、主人は、そのおぜんを全部大橋の上にはこび
「大橋様ほんとうにありがとうございました」
とおれいをいってかえりました。
次の日に大橋に行ってみますと、おぜんはみんなきえていました。
主人は、そのことにあじをしめて、しばらくして、また大橋さんにたのみました。
すると、どうでしょう、またまた、大橋の上におぜんがでているのです。
主人は、よろこんで、近所の人をよぴ、みんなにごちそうをしました。お酒のまわった主人は近所の人にそっとその話をしました。
それからしばらくして、金井金べぇーという人がそのはなしをきいて、「よーし、おれのとこでもやってみよう」と、大橋の上に行って、
「今日はうちへ、おおぜいくるので、何人前かのおぜんをおねがいします。」といいました。
しばらくして大橋の上に行くと、ちゃんと何人前ありました。金べぇーは、よろこんで家の人とはこび、近所の人々にごちそうしました。
金べぇーはいよいよかえすときになると、
「こんなりっぱなおぜんを、家にとっておきたいなぁ」と思い、おしいれにそっとかくしました。
そして、のこりのおぜんを大橋にかえしました。
おしいれにいれたのはたった一つのおぜんだったのですが………次の日、金べぇーはまたおぜんをほしくなり大橋の上へ行って
「また、何人前かのおぜんをおねがいします」
といってたのんで、しばらくしていってみましたが、とうとうおぜんは出てきませんでした。
それから、大橋の主におぜんのことをたのんでも、でてきませんでした。

甲府市HP「おはなし小槌」 より
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/senior/ohanashi/index.html
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椀貸狐
大橋の下の穴に昔は古狐が棲んでいた。決して人に害を加えず、村人が膳椀を必要の時はこの橋の上に立って、何人前貸して下さいといえば、その日になると望むだけの物が橋の上に揃えてあり、それを返す時は、きれいに洗って橋の上におくと、いつか知らぬ間に蔵われる。ある時市川某という者が、その膳を返さず家に隠しておいたので、それからは貸さなくなった。今もその橋の傍らに石を高く積み上げ、その上に小さな石の祠をおいて、その古狐を祀ってあるという。 (松のしらべ方言伝説号)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会

このデザインソースに関連する場所

甲府市国玉町 大橋五條天神社

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