1205│湯の神

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ソース場所:北杜市須玉町小尾 増富温泉

●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会    
●画像撮影  : 2013年11月05日
●データ公開 : 2017年03月09日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要]  山梨県北杜市の増冨温泉は、ラジウム量が非常に多い放射能泉で、源泉温度が30℃程のぬる湯です。ぬるい湯ではありますが、長めにつかる入浴法が一般的で、効能の高さから療養泉として長い歴史を誇ります。また、武田信玄が金山開発の際、この温泉を発見し傷病兵を療養させた「信玄の隠し湯」の一つだと言われています。

湯の神
増富温泉は昔は只一ヶ所から湧出し、その湯の傍に小祠を建てて湯の神を祀り、この湯を神の湯と崇め、村人は不浄を戒めていた。或る時若い猟師らが猪を捕って来てこの湯の近くで皮を剥ぎ、その血は飛んで湯に入った。
彼らは不敬にも血に汚れたサスガ(小刀)を神の湯で洗い、また自分の手足をも洗った。すると神が怒ったのか一天俄かに曇り、東天から黒雲が近づいて神の湯の上に来ると、白髯膝に達する仙人が現れ、神の湯に手を入れてこれを掬い、西北に向かって飛び去った。それ以来神の湯の湧出量が減じ、温度も低下した。この時千人の両手の隙間から湯が滴り落ちた場所に、新たに温泉が涌くようになり、現在村内の湧出地は五十余ヶ所に上がっている。 (口碑伝説集)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会

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北杜市須玉町小尾 増富温泉
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