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「YAMANASHI DESIGN ARCHIVES」は、山梨県に伝わる過去の優れた物品の造形や模様、自然から得られる色彩、今に伝わる昔話・伝説を、 産業上で使用することのできるデザインソースとしてデジタル化して配信する山梨県のプロジェクトです。

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#1512

山犬の報恩(棒道沿道)

ソース場所:北杜市 棒道


●ソース元 :・ 土橋里木(昭和51年)「甲州の伝説」甲州伝説散歩  ㈱角川書店●画像撮影  : 201年月日
●データ公開 : 2018年06月21日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

【概要】 昔、山には熊や狼や魔物がいて、山と里山を分けるあたりには山犬が生息し、その境界は夜になると里のほうに下がってくる。夜道を旅したりうっかりその境界に入ってしまったら、人間は山犬を恐れた。 今はもう狼はいなくなってしまった。野犬たちもほんの少し昔、人間が必死で野犬狩りをしたのでほとんどいなくなった。舗装道路が野山を切り裂き、闇を照らす照明が山と里の境界を曖昧にする。熊、猪、鹿、猿などが里に出没し色々な被害が出ている。しかし山に棲むもの達が里に降りてくることを阻む境界はない。

山犬の報恩
昔、中島幸左衛門が花戸が原を通ると、一匹の山犬が道へ出てきて口を大きく開いた。食いつく様子もないから、近寄って山犬の口の中をのぞいてみると、喉に小さい骨が刺さっている。彼は口中に手を入れて骨を取ってやると、山犬は喜んで立ち去った。数日後、幸左衛門がまた花戸が原を通ると、前に助けた山犬が来て彼の袂の端を咥えて引くから、山犬のなすがままに道の傍らの藪陰へ行った。するとザワザワと騒がしい物音が聞こえるので、のぞいて見ると、それは渡り狼の大群が過ぎていくところであった。もしこの大群に出会ったら命はない。狼の大群が通り過ぎると山犬は彼の袂を離し、幸左衛門は命拾いをした。これが山犬の恩返しであった。     *花戸が原  富士見高原のあたり

土橋里木(昭和51年)「甲州の伝説」甲州伝説散歩  ㈱角川書店
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山犬 山犬というと狼を指すことが多いようだが、県内の山犬が出てくるお話をみると、狼ではなく山野にすむ野生化した犬を云っているような話が多い。媚びないけれど恩を忘れないなど、甲斐犬をはじめとする日本犬の特徴が現れている。

昔、山には熊や狼や魔物がいて、山と里山を分けるあたりには山犬が生息し、その境界は夜になると里のほうに下がってくる。夜道を旅したりうっかりその境界に入ってしまったら、人間は山犬を恐れた。 今はもう狼はいなくなってしまった。野犬たちもほんの少し昔、人間が必死で野犬狩りをしたのでほとんどいなくなった。舗装道路が野山を切り裂き、闇を照らす照明が山と里の境界を曖昧にする。熊、猪、鹿、猿などが里に出没し色々な被害が出ている。しかし山に棲むもの達が里に降りてくることを阻む境界はない。

このデザインソースに関連する場所

北杜市小淵沢町 棒道

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