物語
Old Tale
#1574
藤垈の滝(藤垈の滝 笛吹市境川町藤垈)
ソース場所:藤垈の滝 大窪いやしの杜公園 笛吹市境川町大窪597-1外
●ソース元 :・ 甲斐志料集成3(昭和7-10年) 甲斐志料刊行会 編 ・甲斐志料刊行会 編『甲斐志料集成』3,甲斐志料刊行会,昭和7至10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1240842 (参照 2024-08-27・
●画像撮影 : 年月日
●データ公開 : 2020年10月15日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概要] 笛吹市境川町に「藤垈の滝」と呼ばれる小滝がある。新羅三郎義光 開基と伝えられている芹沢不動尊御堂 前にあり、古くから霊泉として知られています。年間を通して12℃程の冷水が湧き出しているので、暑さ厳しい甲府盆地では恰好の避暑地です。江戸時代に書かれた「裏見寒話」にちょっぴり辛口の紹介が載っています。
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藤垈
府より三里。これは温泉でなく滝である。上に石の不動があり、ここで頭に水を受ければ、生涯 頭痛にならないという。山のかげで常に寒く、日ざしもうすい。水がとても冷たい。滝の下の石まで行き、そこに腰掛けて滝行する。少しでも眼に入れば眼が見えなくなると云う。
六月の炎天下でも、人多くて、綿入れを着てその寒さをしのぐと云う。
私はこの事を滝野爲伯守医から聞くと。「藤垈の滝行なんて、朝から晩まで農作業出来るような体力のある人がする事です。頭痛を治せる理屈なんて無い。かえって暑中に冷水を浴びて、風邪を引いたり、腹病みする者が間々あるのです。」
(「裏見寒話」巻之三 温泉並びに鉱泉 の項より)
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「裏見寒話」
「裏見寒話」とは、野田成方が甲府勤番士として在任していた享保九年~宝暦三年(1724-1753)までの30年間に見聞きしたり、調べた甲斐の国の地理、風俗、言い伝えなどをまとめたものです。只々聞いたものを記すだけでなく、言い伝えられている某氏の名前を古い書物から探し出したり、例えば鳥の羽が夜光ることを、不思議な話だと記すだけではなく、闇夜に猫の毛を逆立てると火花が散るがこういった現象ではないだろうか?と考察している。当時の様子や、一般の人達にとって常識だった歴史上の事柄(歌舞伎や浄瑠璃などで演じられ、当時の庶民に良く知られていいた)を知ることが出来る。
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山梨各地に伝わる昔話や伝説、言い伝えを収録しています。昔話等の舞台となった地域や場所、物品が特定できたものは取材によって現在の状態を撮影し、その画像も紹介しています。
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