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「YAMANASHI DESIGN ARCHIVES」は、山梨県に伝わる過去の優れた物品の造形や模様、自然から得られる色彩、今に伝わる昔話・伝説を、 産業上で使用することのできるデザインソースとしてデジタル化して配信する山梨県のプロジェクトです。

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#0318

三枝守国

ソース場所:甲州市塩山下萩原


●ソース元 :・ 土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会
●画像撮影  : 2014年09月19日
●データ公開 : 2016年06月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概 要] 甲斐源氏が台頭してくる前、三枝守国公が官吏として峡東エリアの荘園を管理していた。三枝守国公は鳴り物入りで甲斐の国に赴任してきたのだろう。160歳まで生きたというが、三枝氏の官吏としての期間でしょう。 地域を治める主が変わる時、悪政で倒れたのでなければ以前の主を慕う気持ちは消えない。平安時代の三枝守国公の記憶が残っているのは、荘園を良く管理運営していたのでしょう。

三枝御殿
今から凡そ千百年前、仁明天皇は八幡神社に祈願され、七日満願の夜の夢に、白衣をつけた白髪童顔の異人が現れ、近いうちに夷敵が押し寄せ我が国に寇するが、その時敵を平らげ国土を守る者は、丹波の国大安寺の榎の大樹の上の童子であると告げた。天皇夢から覚めて、勅使を丹波の大安寺に遣わしたところ、寺の丑寅に榎の大樹があり、枝が三つに分かれるところに齢十歳ばかり、眼光鋭く骨格たくましい童子がいた。都に連れて来て天皇に謁し、天皇問いを発せられること三度、童子は黙して答えず、指先を咬んでその血で書いて見せた。吾はもと八幡大菩薩の神勅によって、子の国を守らんために天降った天使だと。天皇喜んで、榎の三つ又の枝の間から生まれたので、姓を三枝、又国土を守る由縁によって名を守国とつけて、宮中に養育した。
三枝守国長じて身の丈七尺余、筋骨たくましく文武に秀で、帝もご寵愛せられたが、やがて北辺の異国より夷敵数万筑紫に押し寄せ、九州の浜海を騒がしたから、天皇守国を征夷大将軍として筑紫に遣わされた。守国智謀を以って敵を撃退し、天皇これを賞して守国を従四位下に叙し、播磨守に任ぜられた。守国は播磨・筑紫等に歴任し、後京都に帰り、北面の士右近衛の中将に任ぜられ、廟議に参与し、権勢旭日の如くであった。或る日宮中の廊下を過ぎて一官女に逢った時、守国の腰に挟む大刀のこじりが、誤って女官の衣装の裾を押さえ、恰も臼をのせたようで動く能わず、女官漸く逃れてこれを帝に告げた。帝怒って守国を重刑に処せんとしたが、重臣中に諌め参らす者があり、よって重刑を減じて守国を甲斐国に左遷し、会の権之守に任じた。
守国は始め八代郡野呂の郷に館を構え、後に山梨郡萩原の郷に移り、今の下萩原北御殿後を本拠とし、城郭をきづいていたが、一条天皇の長徳四年、百六十歳の長寿をもって死し、遺骸は野呂の郷に葬った。子孫及び里人その霊を祀り、柏尾大権現と称し、毎年九月十九日死亡の日に例祭を執行する。又その境内に榎を植え、三枝祭をするという。今御殿の北に榎の地名があり、またその城跡を柏原堰という。  (東山梨郡誌)

土橋里木(昭和28年)「甲斐傳説集」山梨民俗の会

写真は平成26年9月19日、勝沼の大善寺にて行われた「三枝守国公法要」の様子です。

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平安期まで各地の荘園は、都から派遣された官吏(古代豪族)によって運営管理されていた。それが武士の台頭(武士も元は天皇になれなかった皇子達が、荘園管理者として地方におくられ、そこで地元の有力者などと結びつき、武士という立場やシステムが出来上がってきたのですが)によって、有力武士が守護職として管理するようになっていった、三枝守国から始まる豪族三枝家は峡東地域における最後のいわゆる官吏だった。1162年の「八代荘停廃事件」により、三枝氏は失脚、甲斐源氏にとってかわられるようになった。のちに三枝氏は武田氏の有力家臣となっていった。

このデザインソースに関連する場所

甲州市塩山下萩原

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