0581│清光寺の疣(いぼ)水

ソース場所:北杜市長坂町大八田6600
●ソース元 :・ 長坂町教育委員会(平成12年)「長坂のむかし話」 長坂町役場
●画像撮影 : 2015年11月12日
●データ公開 : 2016年06月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概 要]
清光寺の疣水 北杜市長坂町大八田にある清光寺は、甲斐源氏の祖である新羅三郎義光の孫である逸見玄源太清光が、平安時代の仁平元年(1151年)に天台宗の信立寺として創建した歴史のある寺院です。清光の没後、清光寺に改められた。室町時代に曹洞宗の寺として開山されている。清光の菩提を弔う寺として武田家に庇護された。
そんな由緒ある寺院ですが、近くの子どもたちにとっては、日常の遊び場でした。
境内の玄源太清光公の墓前に、公にゆかりの石があるが、その一つ轡石(クツワイシ)と呼ばれる石のくぼみに溜まった水は「いぼに付けると治るんだって」と言い伝えられてきたそうです。こっそり気になる疣に水を塗るいたずらっ子の姿が目に浮かぶようです。
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清光寺の疣(いぼ)水 (大八田)
清光寺の境内にある玄源太清光(くろげんたきよみつ)公の墓の前に、清光公ゆかりの石が二つある。
その一つは、墓前に向かって左側仁あって、公が騎乗のとき、馬が石の上にとびあがりその時できたひづめの痕であるといわれ、世の人はこの石を馬蹄石という。史誌には、この石の窪みにたまった水が疣に効くとあるが、この石には水のたまるようなところはない。
もう一つは墓前右側、雑木の株の間に苔むした水のたまった石がある。この石の水はかなりの旱天にも干上がることはない。この石は、清光公の馬が石の窪みに溜まった水を飲もうとして口をいれたところ、水が飲みやすいように石がスーッと寄ってきて轡(くつわ)の形になったものだといわれ、だれ言うともなくこの石を轡石と呼ぶようになった。史誌のなかには草鞋石とも言うとあり、見ればそのようにも見える。
この石に溜まった水を疣につけると跡形もなくきれいになると言われているが、医学的根拠はない。
これらのことは、清光公の偉大さをたたえて後の世の人々が言い伝えてきたものと思われる。 (平島順二)
長坂町教育委員会(平成12年)「長坂のむかし話」 長坂町役場