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「YAMANASHI DESIGN ARCHIVES」は、山梨県に伝わる過去の優れた物品の造形や模様、自然から得られる色彩、今に伝わる昔話・伝説を、 産業上で使用することのできるデザインソースとしてデジタル化して配信する山梨県のプロジェクトです。

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#1128

秋葉山の天狗石

ソース場所:北杜市長坂町長坂上条1348 妙要寺


●ソース元 :・ 長坂町教育委員会(平成12年)「長坂のむかし話」 長坂町役場 
●画像撮影  : 2015年02月13日
●データ公開 : 2016年06月24日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他   : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。

[概要] 室町時代、今の北杜市長坂町長坂上条に覚応法印と呼ばれる修験者がいた。年齢を重ねて覚応は息子の覚善に後を継がせようと妙要寺裏山の大石の前で秘伝を伝授していたが、志半ばで命の火が消えてしまった。覚善は父の形見の秘伝書をたよりに修業を続けていると、ある日、修行中ふと気づくと大石の上に天狗がおり、父に代わり伝授してくれるようになった。その後、覚善は京に上って修業を重ね、立派な法印になった。修行をした大石を天狗石と呼ぶようになったと云う。

秋葉山の天狗石     (長坂上条)

長坂上条の妙要寺の北に秋葉社が祀られていて、その跡地に天狗石といわれる大きな石があったという。
永享の昔、上条に覚応法印と呼ばれる修験者がいて、法螺貝を吹き、占いや祈祷をして歩いていた。
ある時法印は「わしもいよいよ歳である、息子の覚善に法螺貝の秘伝を伝授し、後を継がせよう」と、裏山の大石の前で精魂こめて教えた。しかし年齢には勝てず、志なかぱで亡くなってしまった。
覚善は嘆き悲しんだ。しかし初七日も過ぎた頃から父の形見の秘伝書をたよりに修業を続けた。一ヶ月ほどたったある日、いつものように石の前で法螺貝に一礼して石の上に目を移すと、そこに天狗様が座っていた。そして、「おまえの家は、法螺貝の秘伝を受け継ぐ家である。しかし中途で父を失ってしまった。わしが代わりに伝授してやろう」と言って法螺貝を取り、一節一節吹き上げ、吹き下げた。その音色は大地の底から天空に響き渡るかのようだつた。
それから数ヶ月後、天狗様は「もうおまえに教えることはない。この法螺貝を授ける。京に上りさらに修業せよ」と、法螺貝を渡し、「カアーッ」という大声とともに天空の彼方へ去っていった。
その後、覚善は京に上って修業を重ね、立派な法印になったという。
この大石は、いつからか天狗石と呼ばれるようになった。明治の頃工事のために割られてしまい、今は見ることができなくなってしまった。
今その場所には、「奥山半僧坊大権現」の碑が建っている。
(中津袈章『長坂上条区誌』)

長坂町教育委員会(平成12年)「長坂のむかし話」 長坂町役場

このデザインソースに関連する場所

北杜市長坂町長坂上条1348 妙要寺

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