1240│まのよい猟師
ソース場所:市川三郷町大塚
●ソース元 :・ 土橋里木(1975年)全國昔話資料集成16甲州昔話集 岩崎美術社
●画像撮影 : 201年月日
●データ公開 : 2017年10月18日
●提供データ : テキストデータ、JPEG
●データ利用 : なし
●その他 : デザインソースの利用に際しては許諾が必要になります。
[概要]
まのよい猟師
大塚村のお神主がある朝猟に行った。笛吹川の土手へ出ると鴨が三羽いたから、モトゴメの鉄砲でぶつと、ただ一発で三羽ともあたった。その鴨が川の中へ吹っこんだから、取りにはいって鴨の首を腰にはさみ、さて出ようとすると両の袂がバカに重い。見るといつの間にか、鰻や鯉や鮒がいっぱいはいっている。土提へ上ろうと思って、そこの木の根を摑まえると、それは兎の後足であった。後足を摑まれた兎は逃げようとして、前足で一所懸命地を掻いたところが、山芋を三貫目ばかりも堀じくり出した。そこでお神主は一朝に、鴨と魚と兎と山芋と、背負い切れぬほどの獲物を担いで帰って来たが、殺生もあたる時にはあたるものである。
(昭和十四年一月二十二日 河野勘左衛門爺様〔八十二歳〕)
全國昔話資料集成16「甲州昔話集」 土橋里木・編 より
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市川三郷町大塚